伝説的カルト映画！「12モンキーズ」あらすじと評価
『旬の才能が結集した伝説的カルト映画』
20年の時を経てもドラマ化されるほどの、SFカルト作品
1995年に製作されてから20年後の、2015年。
カルト映画として名高い12モンキーズが、ドラマ化された。
なぜなら、20年の時を経ている映画にも関わらず人気があるからだ。
12モンキーズは、多くの映画ファンに強烈な印象を残し、無数の映画の中でもカルト的な人気を誇っている。
12モンキーズを観るなら、ドラマよりも映画から先に観たほうがいい。
監督は、鬼才テリー・ギリアム。
テリー・ギリアムは創造性に溢れた監督で、かなりぶっ飛んだ作風のSF映画を多数残している。
独特の不思議な世界観を表現した作品が多く、誰にも真似できないオリジナリティがある。
あまりにも個性的なのでついていけない映画もあるが、12モンキーズは比較的分かりやすく、クセも強すぎない。
万人向けに仕上げながらも、クリエイティブかつ完成度が高いので、SF映画の権威のサターン賞で最優秀SF作品賞を受賞した。
あらすじ
ジェームズ・コール（ブルース・ウィルス）は、ウィルスによって人類の99%が死滅した未来、2035年からやってきた。
彼は犯罪者として服役していたが、過去に戻りウィルスの原因を突き止めれば釈放すると言われ、タイムトラベルを使って過去に戻る。
指令は、ウィルスを撒き散らした集団「12モンキーズ」を突き止め、それを阻止すること。
コールは1996年に戻るはずだったが、機械の故障で1990年に送り込まれてしまう。1990年の人達には彼が話している内容は理解不能だったため、妄想癖のある危険な人物だと判断され、そのまま精神病院送りにされる。
この精神病院で知り合うのが、キャサリン・ライリー医師（マデリーン・ストウ）と精神病院患者のジェフリー・ゴインズ（ブラッド・ピット）だ。
大量に投与された薬で酩酊状態のコール。ゴインズは激しい気性で昼も夜も突然暴れ出し、意味不明な言葉の中と共に「モンキー」というフレーズを叫んでいた。
このフレーズで彼は生気を取り戻し、精神病院を抜け出す。
そして一度未来に戻り、再度タイムトラベルに乗って1996年にやってくる。
1996年は1990年とガラッと変わっていた。街には不穏で退廃的な空気が流れていて、すでに12モンキーズの存在があった。そして精神病院にいたゴインズが、12モンキーズのリーダーとして活動していた、、。
映画界の才能が集結した奇跡の作品
12モンキーズが面白い理由は数多くあるが、まず注目できるのが豪華な俳優陣。
当時ノリに乗り始めたブルース・ウィルスと、若手ブラッド・ピットの共演が素晴らしい。
ブルース・ウィルスには、イケメンながら力強く獣のような魅力があり、同時にヒーローのような存在感がある。
12モンキーズの時のブラッド・ピットは、最高にイカれている。
精神病院患者として登場するが、謎の壊れ具合に引き込まれる。
ブラッド・ピットには不思議な魅力がある。
彼がイかれた役を演じると、それがクールに感じてしまうほど、センスを感じさせるものを持っている。
彼はこの作品で、ゴールデングローブ賞、助演男優賞を獲得した。
鬼才テリー・ギリアムが監督の手腕も光っている。
不思議で魅力的な世界観と、巧みでスリリングな脚本で引き込み、12モンキーズの世界に誘う。
そして、ブルース・ウィルスとブラッド・ピットによる白熱の演技で盛り上げる。
鬼才達の旬の力が集結した傑作だ。
強烈な印象を残す、ピアソラの音楽
映画は総合芸術で、脚本に演技、ファッションに音楽など、様々な要素が絡み合う。
それらのすべてが重要で、混ざり合うことで化学反応を起こす。
そして時に、その映画を表現する完璧な音楽が登場する。
12モンキーズで使われた音楽は、ピアソラの「プンタ・デル・エスタ」という音楽だ。ピアソラはアルゼンチンの音楽家で、タンゴをベースにクラシックやジャズを組み合わせて、独特の音楽を表現をする。
「プンタ・デル・エスタ」は世界的に評価され、ジャンルを超えて音楽ファンを刺激した。美しさと不気味さ、そして気高さがあり、唯一無二の音楽世界を表現している。
この曲が12モンキーズの世界観と完璧なほどマッチしていたので、強烈な印象を残した。
個性的で中毒性のある映画
「本当に面白い映画は時代を超える。」12モンキーズには、この言葉が似合う。
中毒性があり、何度も観たくなる。ストーリーには謎が多く、正解はない。
ラストの解釈は人それぞれ。
だからこそ、時代を超えても愛され続けているカルト映画なのだろう。
★★★★★★★★★☆ 9/10点
