そういえば、あくびはなぜうつるのだろう?【TED】なぜあくびは伝染るのか?
「なぜ人のあくびはうつるのか?それは、あなたに共感力があるからだ。」
概要
TEDでお馴染み、美人神経学者のクラウディア・アギーレが、TEDに登壇。
なぜあくびが伝染するのかについて、講演した。
言われてみれば、確かに気になる。
なぜ、あくびは伝染するのだろう?
その理由を、早速シェアしていこう。
内容
他人のあくびが伝染したことはある?
疲れてる訳ではないのに、他人があくびをすると、あくびが出てしまうことは?
この現象は、「伝染性のあくび」と呼ばれている。
なぜ起こるのかは、科学的にまだ解明できておらず、多くの仮説に基づいて研究されている。
その中には、生物学的な仮説や、心理学的な仮説がある。
まずは、2つの生物学的な仮説から見ていこう。
1つ目の生物学的な仮説は、「伝染性のあくび」は特定の刺激、つまり最初のあくびによって誘発されるというもの。
これは、「固定的行動パターン」と呼ばれる。
あなたのあくびが、私のあくびを誘い、ドミノ理論のように近くの人のあくびを誘発していく。
2つ目の生物学的な仮説は、「カメレオン効果」と呼ばれる。
これは、誰かの行動を無意識的に模倣するときに起こる。
いい人間関係を保とうと、隣にいる人を、無意識に模倣する。
人は、お互いのしぐさを真似する傾向がある。
隣で足を組んでいたら、あなたも足を組みたくなる。
この仮説で考えられるのは、誰かがあくびをすると、それを真似てあくびをしているということになる。
科学者は、これは脳内のミラーニューロンによって引き起こされると考えている。
ミラーニューロンとは、他人の行動を見た時に、自分もその行動を取ろうと反応する、ある種の脳細胞だ。
ミラーニューロンは、何かを学習する時に有効だ。
ミラーニューロンのおかげで、知らない分野のことでも他人のやり方を真似て学習して、いつしかそれができるようになる。
このミラーニューロンは、あくびを見たときだけでなく、あくびを聞いたときにも、脳内で発火していることが研究で分かっている。
あくびに関する心理学的な仮説も、ミラーニューロンと関係している。
心理学的には、人のあくびがうつる現象を、「共感あくび」と呼んでいる。
共感とは、他人が何を感じているか理解し、その情動を共有する能力だ。
私たちのような社会的な動物には、とても重要な能力。
研究者によると、犬もあくびが伝染すると判明した。
そして犬は、見知らぬ他人のあくびよりも、馴染みのある飼い主のあくびのほうが伝染しやすいという、面白い結果が出た。
同様に、人間も知らない他人より、友人のほうがあくびが伝染しやすいことが分かった。
また、小さい子どもも、他人の感情を理解できるようになる4歳ごろから、あくびが伝染するようになる。
あくびが伝染する原因はどうやら、人間の持つ共感力が影響しているようだ。
感想
なぜ、あくびがうつるのか?
おそらく、ほとんどの人が知らないまま過ごしているだろうが、その理由は共感力だったらしい。
共感力。なるほど、納得できる結論だ。
人間の身体は面白い。
あくびが共感力から生まれるものだと考えると、人間の共感力は相当高く、人の情動は想像以上に伝染しているのだろう。
いい感情も、悪い感情も、人間は共感力が高いからこそ、伝染しやすい。
共感力があるからこそ、明るいものや、プラス面に惹かれる。
脳科学者から、サイコパスはあくびがうつらないという話を、聞いたことがある。
これこそまさに、サイコパスには共感力が欠落しているからだろう。
周りにあくびがうつらない人がいたら、もしかしたらサイコパスかもしれない。
それにしても、あくびは共感力と知ると、なんだか微笑ましいものだ。
筆者は電車に乗る時など、前に座っている見知らぬ他人がするあくびがうつってしまう時があるが、共感しているのだなと考えると、なんだか面白い。