我々の祖先は猿ではなく魚だ【TED】40億年分の進化を6分で説明
「私たちは猿から生まれたのではありません。我々は、魚です。人間は猿ではなく魚だという理解が、人間の起源の理解に繋がります。」
Prosanta Chakrabarty
概要
TEDフェロー、魚類学者のプロセンタ・チャクラバーティがTEDスピーカーに登壇。
私たちの進化には終わりがなく、40億年に渡る過程の一つに過ぎないと語る。
そして、我々の祖先は猿ではなく、魚だと言う。
それは一体、どういうことなのだろう?
早速、その理由をシェアしていこう。
内容
人間が猿から進化したのなら、なぜまだ猿が存在するのでしょうか?
我々は、猿ではないからです。
我々は、魚です。
人間は猿ではなく魚だという理解が、人間の起源の理解に繋がります。
私は、アメリカで最大級の化生物学の講義を、担当しています。
講義は、誤解を解くことから始まります。
進化論についての誤解は、たくさんあります。
例えば、「進化論」は唯一のものと学びますが、複数のデータに一致するものだけが生き残っています。
「進化論」と言えば、ダーウィンの自然選択論が、一番知名度があります。
環境に一番適した生物が生き残り、繁殖するという内容です。
一方、適応力の劣る生物は徐々に死滅します。
進化論とは、こんなにも簡単であり、そして真実です。
証明も簡単です。
へそを見ればわかります。
そして、背骨があるのは、他の脊椎動物と同じです。
DNAがあるのも、地球上に棲息するすべての生物と同じです。
こういう特徴は、人間に突如現れたものではありません。
いろいろな祖先が残したもので、すべての子孫が受け継ぎました。
しかし、生物学ではそう習いません。
植物や細菌が原始的で、魚が両生類になり、爬虫類や哺乳類が生まれ、そしてあなたのような最終地点に到達し、完璧に進化した生物になったと学びます。
しかし、進化は一筋ではありません。
猿がチンパンジーになり、絶滅したヒト、そして人間になるイメージもあります。
しかし、彼らが我々になったのではありません。
我々が、進化のゴールでもありません。
40億年を逆戻りしましょう。
当時の我々の祖先は、単細胞生物です。
そして、30億年前に、多細胞生物が生まれました。
それは、菌類、植物、動物などです。
初めに背骨を持ったのは、魚です。
ということは、脊椎動物はすべて魚ですね。
私も、あなたも、魚です。
魚の一系統が水から上陸し、哺乳類や爬虫類などに変化しました。
爬虫類の一部は鳥になり、哺乳類の一部は霊長類になり、霊長類の一部は尻尾のついた猿になり、他は人類を含む大形類人猿になりました。
つまり、私たちは猿から生まれたのではありません。
しかし、猿と同じ祖先を持ちます。
身の回りの生物は、常に進化しています。
細菌や菌類は増え、魚もいっぱいいます。
生命は進化しつつ、絶滅していきます。
大半の種の存続期間は、数百万年に過ぎません。
ということは、身の回りの生物は、人類とほぼ同じ存続期間です。
だから、「植物や菌類は原始的で、比較的新種である人類が特別である」という考えは、自己中心的であることが分かります。
生命は、未完成の本です。
各章の最後の数ページしか、我々には見えません。
この世界に住む、800万種の生物は、すべて40億年の進化の産物です。
我々は皆、生命という古代からの巨木の若葉です。
私たちは皆、見えない枝で繋がっています。
そして、絶滅した親戚や祖先とも、繋がっています。
私は生物学者として、同僚と共に多種類がどう繋がっているのか、研究を続けています。
おそらく、こう考えたほうがいいでしょう。
我々は皆、水から上がった小魚で、歩いたり話したりできる。
しかし、我々がどういう生物なのか、どこから来たのか、まだ習うことが沢山あるのだと。
感想
非常に分かりやすく、人類の進化の歴史を理解することができた。
人間の進化を振り返る時、我々の頭に浮かぶ光景は、猿から人間になった図だ。
猿が、次第に二足歩行になり、 人間になっていく姿が想像できる。
しかし、これは正しい進化の過程ではなかった。
人間の生物としての祖先は、魚だ。
海から上陸した魚の一系統が、哺乳類になり、哺乳類の一部が、人類を含む大形類人猿になった。
猿は、進化の一過程に過ぎなかった。
世界に住む800万種の生物は、すべて40億年の進化の産物だというのには、驚いた。
40億年前から現在まで、生物の進化は続いているし、今でも進化を続けている。