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古代から人間と共存してきたニワトリ【TED】ニワトリから見た歴史

「戦士や神へのお供え物から、旅のお供や研究材料に至るまで、ニワトリは何世紀にもわたって様々な役割を担ってきました。ニワトリの興味深い歴史は、私たち人間の歴史についても語っているのです。」

Chris Kniesly - Educator

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概要

TEDエデュケーターのクリス・A・ナイスリーが登壇。

ニワトリの歴史から見る、人類の歴史について語ってくれた。

人間の歴史と、ニワトリの歴史は、紀元前7000年頃から繋がっているという。

早速、その興味深い内容をシェアしよう。

 

内容

古代エジプト王トトメス3世に関する資料によると、「毎日卵を産む素晴らしい外国の鳥」について記述しています。

世界最古の宗教であるゾロアスター教の信者たちは、この鳥のことを、この世の闇と光の抗争を告げる霊であると考えていました。

ローマ人は、戦いの際にはこの鳥を、戦争の勝敗を予知するものとして連れて行きました。

今日、ニワトリは未だに、重要な役割を果たしています。

しかし、崇拝される立場ではなく、食卓で。

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現在のニワトリは主に、「セキシャクヤケイ」と呼ばれる鳥と、部分的にはインドや南東アジアに固有の、3つの近縁の種の血統を引き継いでいます。

この地域で育つ竹は、数十年に一度だけ、大量の実をつけます。

セキシャクヤケイの毎日卵を産む能力は、竹のこの稀な特徴を利用し、食料が豊かな時に個体数を増やすように進化したのかもしれません。

 

ニワトリは飛行能力が低く、飼育に広い場所を必要としないので、簡単に捕まえて閉じ込めることができました。

家畜化された最古のニワトリは、少なくても7000年前までさかのぼります。

その当時は、食用としてではなく、闘鶏が人気のエンターテイメントでした。

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紀元前2000年ごろまでに、ニワトリはインダス谷から中国へ、そして中東へと広がり動物の王に君臨し、宗教儀式にも使われました。

しかし、エジプトで、ニワトリの新しい歴史が始まります。

 

雌鶏が卵を抱いている間、雌鶏は新しい卵を産むことはなく、6個かそれ以上の卵をつかんだ状態で21日間座り続けます。

紀元前1000年頃、エジプト人たちは、ニワトリの卵を人工的に孵化させる方法を発見しました。

バスケットの上に卵を入れて、熱い灰の上に置いておくのです。

これによって雌鶏は毎日卵を温めることから解放され、高貴に扱われる存在、つまり祭祀用としての存在から、一般的な食料になりました。

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その頃、フェニキア人の商人がニワトリをヨーロッパに広めます。

すると、ニワトリは瞬く間にヨーロッパ人の家畜として、必要不可欠な存在になりました。

しかし長い間、高貴な立場にあるニワトリも、食用のニワトリと同時に存在し続けたのです。

ローマ人はニワトリに神託を求めましたし、7世紀までは、ニワトリはキリスト教の象徴とされてきました。

 

それから数世紀の間、ニワトリは人間がどこに行こうともお供して、世界中へ広がったのです。

貿易や征服、そして植民地化を通してです。

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近年では、ニワトリの生産は産業的、工業的なビジネスモデルへと変遷します。

そして、ニワトリは紙一枚分のスペースにも満たない中で、育てられるようになりました。

現在では、動物の権利や環境への配慮を考え、平飼いをする傾向になってきていますが、ほとんどの国では220億ものニワトリが養鶏場で育てられています。

 

戦士や神へのお供え物から、旅のお供や研究材料に至るまで、ニワトリは何世紀にもわたって様々な役割を担ってきました。

ニワトリの興味深い歴史は、私たち人間の歴史についても語っているのです。

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感想

ニワトリの歴史がここまで古いとは、知らなかった。

人類の歴史が始まるころから、ニワトリは存在していた。

そのため、ニワトリの歴史を振り返ることで、人間を歴史を振り返ることができる。

 

ニワトリの歴史を振り返ると、古来は崇拝される存在だったが、現在は食用として家畜化されている。

変わっていないのはニワトリで、変わっているのが人間だけだ。

人間が勝手に神格化したり、宗教の象徴にしたり、家畜化したりしている。

 

人間に翻弄され続けるニワトリも気の毒だが、綺麗事抜きの現実問題として、日々美味しく頂けることに感謝したい。

しかし、動くスペースのない環境で卵を産むためだけに飼育されるのはさずがに残酷なので、養鶏場はできる限り平飼いにして欲しい。

こういうことを知ると、動物の権利や環境保護の大切さが理解できる。

 

それにしても、世界中にいるニワトリの数は220億という数字が衝撃的だ。

すでに世界人口の75億人を遥かに超えている。人間の3倍の数だ。

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人間によって強制的に繁殖させられているのだろうが、それにしても凄まじい。

古くから共存してきたニワトリの生命力、そして圧倒的な繁殖力は、尋常じゃない。

闘鶏としても使われていたこともあり、そのエネルギーは計り知れないものがある。

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鳥の歴史は1億年もあり、人間の歴史の数百万年を遥かに超えているらしい。