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【TED】ジェットコースターは人体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?

「人体の限界に関する正確な知識が、より速く高く宙返りの多い、ジェットコースター作りに役立っています。」

Brian Avery - Educator

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概要

TEDエデュケーターのブラインアン・エイブリーが登壇。

ジェットコースターの変遷と、人体に与える影響、そしてジェットコースターがどのように設計されているかについて語った。

それでは早速、その内容をシェアしよう。

 

内容

1895年夏、ニューヨーク州コニーアイランドにある遊歩道は、驚異のジェットコースター技術を一目見ようとする人で、溢れ返っていました。

Flip Flap Railway」です。

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これは、アメリカ初の宙返りができるジェットコースターでしたが、スリル満点の宙返りは代償を伴いました。

ジェットコースターの多くの乗客が、深刻なむち打ちや、首の怪我をしたり、放り出されたりする問題も起きました。

すべてが、自慢の宙返りによるものでした。

 

現在のジェットコースターは、病院に搬送されるリスクに訴えることなく、遥かに興奮する仕掛けを作ることができます。

しかし、ジェットコースターは人体にどのような影響を及ぼし、どのように恐怖感と安全性を同時に得ているのでしょうか?

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あらゆるジェットコースターの設計の核となるのは、重力です。

車や電車とは違い、ジェットコースターはレールの上を、ほぼ重力エネルギーのみで進みます。

 

ジェットコースターが最初の坂を引き上げられると、巧妙に設計されたサイクルが始まります。

上り坂で位置エネルギーを蓄え、下り坂で運動エネルギーへと変換します。

このリズムが全コースを通して繰り返され、ジェットコースター設計士が振り付けた、重力エネルギーのダンスを表します。

 

しかし、このサイクルには、十分に考慮されなかった重要な要素があります。

それは、あなたです。

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Flip Flap Railway」があった当時、設計士が最も重視したのは、ジェットコースターの途中停止を避けることでした。

初期の設計者はそのことを過度に重視し、下り坂では物凄い勢いをつけて進み、ゴールで急ブレーキをかけたのです。

しかし、重力が車両に影響を与えるのと同時に、乗客にも影響を与えます。

ジェットコースターの強烈な条件下では、重力の影響は強まります。

 

宇宙飛行士やジェットコースター設計士の間で使われる共通の単位に、「Gフォース」というものがあります。

1Gは、地上で感じている重力によって引き寄せられる身近な力で、これは地球の重力が私たちの体を引き寄せている力です。

しかし、乗車中に加速したり減速したりすると、乗客は重力をより強く、もしくはより弱く感じます。

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現代のジェットコースター設計士は、人体が約5Gまで耐えられることを知っていますが、「Flip Flap Railway」やその時代のものは約12Gまで達していることが当たり前でした。

このレベルの重力を受けると、血液は脳から足に急速に流れ、目眩や一時的な記憶喪失に繋がります。

また、宙返りになっている状態では、頭部に血液がどっと流れ込み、視界が深紅色になる「レッドアウト」という症状を引き起こします。

 

それとは逆に、マイナスGは無重力状態を作り出します。

体内の一時的な無重量状態はほぼ無害ですが、平衡感覚をつかさどる役割を担っている内耳にある液体が浮くと、乗り物酔いを引き起こします。

 

しかし、より大きなリスクは、設計士が「エアタイム」と言うものから生じます。

これはお尻が座席から離れることであったり、放り出されてしまったりすることです。

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現在のジェットコースターは様々な安全ベルトやバーで、この問題は大幅に解決されましたが、耐えず変化する乗客の姿勢が、どの部分を固定する必要があるのか判断を難しくします。

 

幸運にも、現在の設計士は、人体とジェットコースターが耐えられることを熟知しています。

設計士はこれらの相反する力を操り、強い圧力がかかった時の影響を、全く圧力がかかってない時に緩和しています。

加えて、プラスからマイナスGへ急激に転換するときに、むち打ちや頭痛、腰や首への痛みが生じるので、かつてのスリリングなジェットコースターに共通していたスピードや方向の急激な変化を無くしています。

 

現代のジェットコースターはより頑丈で、重力に耐えられる数値を、厳密に考慮しています。

5Gの負荷がかかると、体は5倍の重さを感じます。

仮に、体重が50kgだった場合、ジェットコースターには250kgの重さが加わります。

設計士がジェットコースターの支柱を設計する場合、各乗客の重さを何倍かしたものを、計算に入れなければいけません。

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現代のジェットコースターでも、まだ万人向けではありません。

アドレナリンの放出や目眩や乗り物酔いは、すぐには無くなりそうにありません。

 

しかし、最新の3Dモデリングやシミュレーションソフトの使用により、さらに安全でスリルのあるものを作れるようになりました。

 

人体の限界に関する正確な知識が、より速く高く宙返りの多い、ジェットコースター作りに役立っています。

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感想

宙返りのジェットコースターが世界で初めて完成した1895年、Flip Flap Railwayは人体が耐えられる5Gの2倍以上、葯12Gで走行していたというから恐ろしい。

100年前の設計士は、人体が耐えられる重力さえ、理解していなかった。

スリルを超えて、首の怪我やむち打ち、そして放り出されたりまでしていたらしい。

これでは、ジェットコースターでなく、デットコースターだ。

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ゴール地点で荒々しく急ブレーキをかけていたというのも、危険極まりない。

100年前の話と聞くと、なんとなく想像できてしまう。

 

一方、現代のジェットコースター設計士は人体を熟知して、より安全でスリルのあるものが出来上がっている。

この分野に関しては、技術革新の効果が非常に高い。

誰だって、ジェットコースターで不幸な目に合いたくない。

単なる娯楽で、完全なエンターテイメントでなくてはならない。

 

時代が進むほど、より安全で、より快適な環境が整っていく。

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