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映画「ノクターナル・アニマルズ」才能の塊のような作品

『お洒落すぎる復讐劇 ノクターナル・アニマルズ

溢れ出るほどのセンス

ファッションデザイナーのトム・フォードが監督したノクターナル・アニマルズ

これは芸術性の塊のような映画だった。

センスという言葉を浮き彫りにしたら、こういう作品が生まれる。

こう表現しても過言ではないかもしれない。

センスのある人とは一体どういうものなのか、このような質問は実に抽象的で難しいが、この映画を観れば一発で理解できるのではと感じた。

今までに観たことのないストーリー

アートギャラリーのオーナーとして活躍しているスーザン(エイミー・アダムス)は、世間的には一定以上の成功を収めていた。

美形の旦那とリッチな邸宅で暮らしていて、物質的には満たされていたが、精神的には満足していなかった。

そして、自分が創るアート作品をジャンクと呼び、常に不満を抱えていた。

 

ある時、20年前に結婚していた元旦那で小説家志望だったトニー(ジェイク・ギレンホール)から、自宅宛に小説が送られてくる。

そのタイトルは、ノクターナル・アニマルズ

なぜ彼は突然小説を送ってきたのか?

なにが目的なのか?

そしてどんな内容なのか?

様々な感情が入り乱れながら、スーザンは小説ノクターナル・アニマルズを読み始める、、。

映像も演技も完璧

ファッションデザイナーのトム・フォードらしく、スーザン(エイミー・アダムス)が着こなすファッションやビビットな配色のギャラリーなどの背景、シーンごとに色を使い分けた映像など、すべてが目を奪うほどお洒落。

 

主演女優のエイミー・アダムス、主演男優のジェイク・ギレンホール、助演男優で警部役のマイケルシャノン、どれも完璧な配役だ。

3人が存在感たっぷりに演じていて、のめり込む。

エイミー・アダムスは目だけで心の動きを表現し、ジェイク・ギレンホールは全身で感情を表現し、マイケル・シャノンは鬼気迫るような演技を見せてくれる。

特にボビー役のマイケル・シャノンは、まるで役柄が乗り移ったかたのような演技で、アカデミー助演男優賞にノミネートされている。

 

しかし、ノクターナル・アニマルズで本当に凄いのは脚本だ。

巧みで刺激的な脚本

1つの映画の中に2つ以上のストーリーが存在するってのは良くある話だが、この映画は1つの映画の中に2つの違うジャンルのストーリーがある。

スリラーと恋愛という全く異なるものが交互に交錯して、最後に綺麗に1つにまとまる。

その鮮やかさに、思わず舌を巻く。

全体的に巧みな編集で目が離せず、細部まで刺激に溢れている。

表面的なセンスだけでなく、内面的な深いメッセージも込められていて、トム・フォードが持つ哲学まで感じさせる仕上がりだ。

 

彼はこの作品を監督したことで、他の映画監督とは全く違う圧倒的にオリジナルな感性を持っていることが証明された。

余韻まで楽しめる

映画を観るにあたって注意する点としては、毒気が強過ぎて完全に大人向けの映画であるということ。

刺激が強すぎて子供には見せられない。

大人がじっくりと楽しむための映画で、しばらくの間は余韻が残るほど深みのある作品だ。

 

ノクターナル・アニマルズは、ファッション的な消費で終わる娯楽作ではなく、心の内面を満たすような、素晴らしい芸術作品だった。

★★★★★★★★★☆9/10点

 


ノクターナル・アニマルズ (字幕版) - 予告編