ハイパーリンクの仕組みと歴史【TED】ハイパーリンクはいかにすべてを変えたのか
「ハイパーリンクが、ワールドワイドウェブを生み出すきっかけに繋がった。」
概要
YouTubeやFacebookでユーザーエクスペリエンスの専門家として名を馳せたマーガレット・グールド・スチュワートが、ハイパーリンクに関する内容で、TEDに登壇。
ハイパーリンクはいかにすべてを変えたのかについて、講演した。
ハイパーリンクの仕組みと、その歴史を、わかりやすく紹介しよう。
内容
ハイパーリンクが登場した時、
「これはコミュニケーションのあり方を変える。」
そう考えたのを覚えています。
ハイパーリンクとは、インターフェースの要素です。
インターフェースとは、簡単に言えば、画面です。
スパホやパソコンのソフトウェアには、そのインターフェースの背後に、コンピューター管理のための命令群があります。
コンピューター管理のための命令群とは、プログラミングのことです。
プログラミングは、パソコンのためです。
インターフェースは、人間のためにあるものです。
例えば画面上にあるボーダーラインが引かれていたり、青文字になっているテキストをクリックすると、リンク先に飛びます。
ハイパーリンクは最初の頃、とてもシンプルで凝ったものではありませんでしたが、現在は様々な選択肢があります。
ハイパーリンクでは、HTMLというマークアップ言語を使います。
ハイパーリンクのコードは短く、飛び先のアドレスを入れるようになっています。
使い方を学ぶのは簡単です。
インターネット上の他の場所にある情報を参照できるように、ハイパーリンクが使われています。
私が学生だった頃は、レポートを書く際には、図書館まで出向く必要がありました。
そして、本がない場合は取り寄せる必要があり、場合によっては2週間もかかりました。
今から考えると馬鹿げていますが、技術革新のおかげで、情報がすぐに手に入るのが当たり前になりました。
ハイパーリンクが誕生するまでの歴史は古いです。
1945年、ヴァニーヴァー・ブッシュが登場します。
米国政府で働いていた彼は、こう考えました。
「人類は膨大な情報を生み出し続けていて、読んだ本やアイディアを把握しきれなくなっている。」
彼は、memexというものを考案し、これまでに見た本や記事をまとめておける、個人用のライブラリを創りました。
情報を繋げるというアイディアが、人々の想像力を捉えました。
1960年代には、テッド・ネルソンという人物が登場します。
彼は、「自分の持っている知識だけでなく、もっと大きな知識体系のアイディアを繋げられないか?」というザナドゥ計画を立ち上げました。
1982年になると、メリーランド大学の研究者グループが、HyperTIESというシステムを開発しました。
これが、テキスト本文をリンクの記述に使う、初のシステムでした。
1987年、アップルがHyperCardを作ります。
これは、カードの束があって、カード同士をリンクすることができました。
HyperCardは、ストーリーの中を飛び回ることができました。
この一本道ではない、ストーリーという概念は、ハイパーリンクの登場で大きな勢いを得ました。
テキスト上にある文字をクリックすることで、文章のストーリーをより深く理解できるようになったからです。
このようなアイディアや発明が、ワールドワイドウェブを発明した、ティム・バーナーズ=リーのヒントになりました。
ハイパーリンクは、レゴブロックのようなもので、世界中に張り巡らされた複雑な関連性の網目になっている、基本ブロックになっています。
ハイパーリンクは、多くの人が使うものとして作られているだけでなく、多くの人が作るものとして意図されていました。
私に言わせれば、ハイパーリンクはかつて作られたあらゆるものの中で、最も民主的なデザインです。
感想
WEBの歴史は浅いと考えてたが、ハイパーリンクが生み出されるきっかけとなったのは、1945年からだった。
1945年に、世界初の個人用ライブラリが生み出される。
1960年代に、大きな知識体系のアイディアを繋ぎ始める。
1982年に、ハイパーリンクの前身が生まれる。
1987年に、アップルがハイパーリンクをストーリー上でリンクさせることに成功する。
そして、ワールドワイドウェブ(WWW)が誕生する。
こう振り返ると、WEBの始まりはハイパーリンクの始まりと言える。
WEBからWEBに飛べるハイパーリンクがあるからこそ、WEBの価値がある。
WEBの始まりは、一人の人物の思考から生まれたと考えると、実に感慨深い。