贈られ続ける恐怖!映画「ザ・ギフト」あらすじと評価
『不気味な男から送られ続ける、謎のギフト』
実力派ハリウッドスター、ジョエル・エドガートン初監督作
ザ・ギフトは、2016年に公開されたスリラー映画だ。主演のジョエル・エドガートンはオーストラリア出身の俳優だが、ハリウッドの最前線で活躍している。
ハリウッドではスター・ウォーズ エピソード2から注目され、20年以上のキャリアがある実力派俳優として知られていながら、今最も勢いのある人気俳優の一人。
これまで、レオナルド・ディカプリオ、ジョニー・デップ、トム・ハーディにクリスチャン・ベールなど超人気俳優と共演してきた。
ジョエル・エドガートンは、男性的で渋い雰囲気、そして役柄によって演技が変わるカメレオン俳優な側面から、幅広いジャンルの映画で活躍している。
彼は自分のことを大器晩成だと言っている通り、俳優として確固たる地位を築いた後に、彼の念願だった監督業をスタートした。
そんなジョエル・エドガートンの初監督映画が、今回紹介するザ・ギフトだ。
あらすじ
セキュリティ関連会社で出世街道を進むサイモン(ジェイソン・ベイトマン)は、仕事が安定して融通が利くようになった。
新居に引っ越すために、妻のロビン(レベッカ・ホール)とともに故郷のカリフォルニアに帰ってくる。
新しい家の家具を買いに夫婦で街に出掛けた時、学生時代の同級生ゴードン(ジョエル・エドガートン)に話しかけられる。
サイモンは記憶になかったが、ゴードンはサイモンを覚えていて、まるで親友であったかのような勢いで話しかけてくる。
ゴードンは不快感を覚えながらもそれを隠し、その場を離れる。
翌日、家のドアの前にワインのギフトが置いてあった。挟んであった手紙でゴードンからのギフトだと分かる。
特に豪華なワインだったので、お礼にディナーに招待することにする。
ディナーでは仲良く談笑したが、その後もゴードンからのザ・ギフトが定期的に届くようになる。
そしてそのザ・ギフトの内容は、次第にエスカレートしていく、、。
アイディア勝ちで大成功を収める
ザ・ギフトのストーリーはシンプルだ。
学生時代の不気味な同級生から、ギフトが送られ続ける。
なぜ送られるのか、何が目的なのかも分からないままの状態で、エスカレートしていく展開が非常に面白い。
先が気になって仕方がなくなり、画面に釘付けになる。
巧みな演出と静かで奇妙な音楽の使い方、ゴードンの何とも言えない不気味さ、そして謎のザ・ギフトが恐怖を演出する。
恐怖レベルが、軽いものから重いものへと、加速度的に上がっていく。
器用なことに、ザ・ギフトでジョエル・エドガートンは監督だけでなく、製作・脚本・主演の4役を果たした。
そして500万ドル(約6億円)というハリウッドでは少額の制作費で、12倍を超える6000万ドル(70億円)の興行収入を稼ぎ出し、大成功を収めた。
批評家からも絶賛され、最も信頼されている辛口批評サイトのロッテントマトで、93%の評価を受けている。
ザ・ギフトが贈られ続け、それがエスカレートする恐怖という、シンプルながら工夫の凝らされたストーリー。
そして、全体的に無駄な音がなく洗練されたセンスのある演出が、ザ・ギフトを他作品とは一味違う映画に仕上げた。
★★★★★★★★☆☆ 8/10点