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難民のリアル【TED】難民が求めているのは物資ではなく社会進出である

「難民が求めているものは、支援物資ではなく、社会進出であり、経済的な自立だ。」

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概要

TEDフェローのロバート・ハキザが、TEDに登壇した。

彼は、都会に暮らす難民の生活を紹介した。

難民キャンプではなく、都会に暮らす難民とは、どういうことだろうか?

都市部に住む難民のリアルとは、一体どのようなものだろうか?

早速、その厳しい現実と前向きな動きをシェアしていこう。

 

内容

現在、ほとんどの難民が、難民キャンプではなく都市部で暮らしています。

それは、全世界の難民の、60%を上回ります。

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難民のほとんどが都市部に暮らすことで必要なのは、パラダイムシフトと新しい考え方です。

 

隣国との壁を作るために無駄なお金を使うのでなく、難民の自助努力を促すプログラムに使うほうがいいに決まっています。

 

すべての財産は、いつか手放さなければいけません。

しかし、スキルと知識は残ります。

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生産的な人生を送ることが許されているのであれば、難民は自立して、迎え入れてくれた国の発展に貢献できるのです。

 

私は、ブカヴという都市で生まれました。

南ギヴ州の州都で、コンゴ民主主義共和國にあります。

 

私は、12人兄弟姉妹の5番目の子どもとして生まれました。

私の父は自動車整備工でしたが、私たちを学校に行かせるために、一生懸命働きました。

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他の若者と同様に、私もたくさんの計画や夢を持ていました。

学校を卒業して、いい会社で働き、自分の家族を持って、親をサポートしていきたいと考えていました。

しかし、それは叶いませんでした。

 

2008年に母国で勃発した戦争により、ウガンダに脱出することになったのです。

 

私たち家族は、ウガンダに定住するための、延々に続く難民の列に並びました。

母国では都市に住んでいたので、難民キャンプよりウガンダの都市カンパラのほうがいいと考えたのです。

 

都市に住む難民は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が、1997年に難民と認知した後も、国際支援から取り残されていました。

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地元の都市貧困層として、難民は貧困の問題に直面したことに加え、難民という立場で様々な問題に直面しました。

 

一つは、言葉の壁です。

コンゴではフランス語が公用語でしたが、ウガンダでは英語です。

当然のように、教育や医療は、難民には届きませんでした。

 

他にも、嫌がらせ、搾取、脅迫、差別などにさらされました。

 

人道支援団体は、農村部の難民にサポートはしても、都市部の難民には何もしませんでした。

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とはいえ、私たちは支援物資を求めていたのではありません。

私たちは、働いて自立したかったのです。

 

私は、仲間を集めて、難民を支援する団体を立ち上げました。

YARID-全体的な発展を目指すアフリカ青年難民団-は、コンゴ人コミニティ内の対話から始まりました。

「様々な問題を解決するために、どのような組織をつくるべきか?」

 

YARIDの支援プログラムは、段階的に発展していきます。

サッカー、英語、日用衣類の裁縫など。

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サッカーは、職のない若者たちのエネルギーを転換して、他のコミュニティーとのつながりを生みました。

無償の英語教室では、難民にウガンダ人コミュニティーと関わっていく力を与え、近隣の人々と知り合いになり、日用品を販売できるようになりました。

職業訓練プログラムが生計維持のスキルを提供し、そのスキルが、経済的自立に向けたチャンスを提供します。

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私たちは、自立生活が可能となった難民の家族を、たくさん見てきました。

私たちの支援を必要としなくなった人々も見てきました。

 

YARIDプログラムが広がるにつれて、対象になる人々の国籍は増え続けています。

コンゴ人、ルワンダ人、ソマリア人、エチオピア人、南スーダン人などです。

 

現在、YARIDではカンパラ市全域の3,000人を超える難民を支援し、拡大し続けています。

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難民は、支援物資ではなく、社会進出を求めています。


私たちは、難民自身の手で創り出した取り組みが、うまく働くことを知っています。

彼らは国際的に認知され、支援されるべきなのです。

 

私たちに値する支援をしてください。

それに利子をつけてお返しします。

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感想

難民というワードで浮かぶ光景は、難民キャンプであったり、農村部が一般的ではないかと思う。

しかし、世界中の難民の半数以上は、都市部で生活している。

そして、都市部で生活している難民こそ、社会進出に積極的で、支援を求めている。

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難民に必要なものは、一時的な対応策でしかない支援物資ではなく、社会進出だった。

 

難民が自ら学び、スキルを身につけることで、経済的自立が可能になる。

経済的自立をすることで、ようやく難民としての立場から解放されるのだろう。

 

彼らの立場になって考えてみると、その通りだろう。

支援物資は有難いが、根本的な解決にはならない。

 

私たちにとっては、まずこの現実を理解することが大切なのではないか。

 

本当の意味での難民支援は、支援物資を送ることではなく、社会進出を手助けすることだ。


そして、難民が自ら生み出したYARIDのような取り組みに信用が持てるのであれば、そこに支援することが最も効果的なのかもしれない。

 

この講演を聞いてあらためて思い返したフレーズは、この一文だった。

「すべては知ることから始まる。」

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寄付をする機会があれば、一時しのぎでしかない支援物資を送るような団体よりも、根本的な解決を目指した社会進出を促す団体を選ぶほうが良さそうだ。