規則よりも信用【TED】みんなが楽しく働く会社を作る8つのヒント
「目覚ましい成績が上がった、顧客がとても満足している、重要な指標はそのようなものです。時間通りに出社したか、休暇を取ったか、規則に従ったかなどではありません。」
概要
Netflixの元人材担当重役パティ・マッコードが、TEDスピーカーとして登壇。
会社はコントロールするよりも、信頼に重きを置いたほうが機能するという。
それは一体、どういうことなのだろう?
早速、そのプレゼン内容をシェアしよう。
内容
私はずっと人事の仕事がしたくて、マネジメントの言葉が使えるようになりたいと思っていました。
でも、ずっとやってきて学んだのは、そんなのは重要でないということです。
「ベストプラクティス」(ある結果を生むのに最も効率のいい方法)と呼ばれているけれど、全然そうじゃないものがたくさんあります。
みんなの方法を真似して、ベストプラクティスと言ってるだけのケースが多いです。
世の中は常に変化し、進化しています。
適応するためのヒントを教えましょう。
その1、社員は大人
社員を管理するために、幾重もの階層や手順、ガイドラインを作り、その結果、人を子どもみたいに扱うシステムが出来上がります。
彼れは子どもじゃありません。
成熟した大人が働きにきているのです。
家賃を払い、責任があり、社会の一員で、いい仕事をしようと思っている。
そう思って当たれば、驚くような変化が生まれるでしょう。
その2、優れたチームを作る
マネージャーが優れたチームを作るのは、どうすれば分かるのか。
目覚ましい成績が上がった、顧客がとても満足している、重要な指標はそのようなものです。
時間通りに出社したか、休暇を取ったか、規則に従ったかなどではありません。
その3、人は意味のある仕事をしたい
職業人生というのは旅です。
同じことを60年やっていたい人はいません。
人が辞める時に引き止めるのは、よろしくありません。
ただ、出身地として素晴らしい会社を目指してはどうでしょう?
巣立った人々は、会社の商品のみならず、会社そのものの仕事ぶりを喧伝する大使になるでしょう。
世界中にそういう熱が広まっていけば、会社は素晴らしいものになります。
その4、全社員が会社のビジネスを理解している
動きが速く、革新的で、スピード感をもって凄いことをしている会社は、協同的に仕事をしているものです。
私たちができる最善のことは、互いに教え合うことです。
その5、誰もが真実を扱えるべき
人は本当のことなら何でも耳を傾けます。
だからフィードバックという言葉を考え直して、相手に真実を伝える機会だと思いましょう。
その人がうまくやっていることや、間違っていることについて、直接伝えます。
その6、会社はその理念を実現する必要がある
企業理念を実現するためには、リーダー自らが率先して行動する必要があります。
人は見ることのできないものには、なれないものです。
その7、スタートアップのアイディアというものは、みんな馬鹿げているもの
私はスタートアップ企業とよく仕事をしています。
大企業で働く友人も多数いますが、彼らは私が組んでいる仕事のことを、馬鹿げているとよく言います。
しかし、スタートアップのアイディアというものは、みんな馬鹿げているものです。
もし、まっとうなアイディアなら、すでに他の誰かがやっているでしょう。
その8、企業は変化に前向きな必要がある
ノスタルジーで盲目にならないこと。
もし昔は良かったなと思っている自分に気が付いたのなら、頭を切り替えて欲しいのです。
「どんな風になるか考えてみよう」と。
私の夢の会社がどんなものかというと、
「すべてが変わった。何が起こるか分からない。右に向かって必死に走っていたけれども、左に急カーブを切るぞ。」
と言うと、みんな「いいぞ!」と歓声をあげるような環境です。
ワクワクする世界が広がっていて、常に変化し続けています。
それを受け入れて熱中すればするほど、楽しいことが待っているのです。
感想
世界最大シェアのリーディングカンパニーとして独走中のNetflixで重役を務めていたパティ・マッコード。
スタートアップから超大企業へと成長するNetflixでの経験が、講演内容にも生きているようだ。
日本企業で働く人にとっては、耳の痛いフレーズが飛び交っている。
規則でがんじがらめにして、社員を大人扱いをしない会社。
成績や顧客満足度以外の、勤務態度で評価する会社。
辞める人に、ネガティブな印象を与える会社。
真実をフィードバックしない上司のいる会社。
このような会社がたくさんあるのではないだろうか。
この内容は理想論に聞こえるかもしれないが、従業員を尊重する企業ほど、優秀な人材を集めていくだろう。
目先の金やブランドよりも、働きやすい職場環境で選ぶのは、この情報化社会におけるスマートな選択だと考える。
そこに楽しさまで加われば、最高の職場になるだろう。