Ky Lifestyle Blog

✍Ky Lifestyle Blogでは、ビジネス本や動画に映画など、日常をより豊かにする情報を、定期的に発信します。

世界中の優秀な人材を発掘できる【TED】在宅勤務がビジネス上有利な理由

「日本で生まれ育ち、現在はカリフォルニアに住んでいるような人だけでなく、世界のどこで生活して働き、目覚め寝る人だろうと、雇うことができます。」

Matt Mullenweg

 f:id:reallifestyle:20190311235436j:plain

概要

WordPress創業者であり、Automattic社のCEOでもあるマット・マレンウェッグが、TEDスピーカーに選出された。

在宅勤務が、いかにビジネス上有利か講演してくれた。

それでは早速、紹介していこう。

 

内容

オフィスで働くことの基本的な問題は、自分の作業環境をコントロールできないことです。

 

私はマット、Automattic社のCEOです。

WordPress.comやJetpack、WooCommerceなどを手がけています。

 f:id:reallifestyle:20190311235811j:plain

800名の社員がいますが、住んでいる場所はバラバラです。

カリフォルニア、アラバマミシシッピ、テキサス。

そして、世界の67カ国に散らばっています。

カナダ、メキシコ、インド、ニュージーランド

 

一箇所に定住しない人もいます。ノマドです。

キャンピングカーで暮らしていたり、Airbnbを使って旅をしていたり、彼らは週ごと、月ごとに新たな場所へ移動します。

Wi-Fiがちゃんと繋がれば、どこにいるかは気にしません。

 f:id:reallifestyle:20190312000052j:plain

この分散的な形態は、たまたまそうなったのではなく、はじめから意識して選択したことでした。

 

私が「遠隔勤務」という言葉を使わないのは、中心の人々とそうではない人々を、区別しているように感じるからです。

私は自分たちのやり方を、「分散型」と呼んでいて、みんなが対等な立場にいます。

社員が分散した形態というのは、会社を構成する最も効果的なやり方だと思います。

大事なのは、意識してそうすることです。

 

私がWordPressを立ち上げたとき、最初の20人の社員の多くが、一度も会ったことがありませんでした。

ずっとネット上で一緒にやってきた人たちだったのです。

 f:id:reallifestyle:20190312000453j:plain

その形を続けたいと思った理由は簡単です。

才能や知性というのは、世界中の均等に分散されていると思いますが、機会はそうではありません。

 

シリコンバレーは技術系の大企業が、同じ一つの池で釣りをしているような状態ですが、分散型な会社なら海全体で釣りをすることができます。

 

日本で生まれ育ち、現在はカリフォルニアに住んでいるような人だけでなく、世界のどこで生活して働き、目覚め寝る人だろうと、雇うことができます。

その人たちは、文化的に異なった考え方や、異なる生活体験をもたらしてくれます。

 f:id:reallifestyle:20190312000559j:plain

分散型にしようとした考えの元は、仕事のやり方について、自主性を与えたいとの考えがありました。

好きにスケジュールが組めて、みんな窓のある角部屋で仕事ができ、食べたいものが食べられ、音楽を流すのも静かな中でやるのも選べます。

部屋の温度も調節できます。

通勤時間を節約して、大切なことに時間を割り当てられます。

 

社員が分散した形態は、技術系企業に理想的なものですが、それで上手くいかない場合はどうするか?そんな質問もあります。

 

分散的な会社をつくるためには、いくつか方法があります。

 

まず、「すべてを記録すること」です。

f:id:reallifestyle:20190312000825p:plain

どこにいて、どんなことを考えたかなど、すべてを記録しておけば、他の人がその先を引き継ぐことができます。

異なる時間帯にいる人ともやり取りできるようになりますし、組織の変化や人の入れ替わりにも対応することができます。

 

次に、「コニュニケーションをできるだけオンラインですること」です。

すべてが公開され共有されていれば、新人も速やかに学べます。

 f:id:reallifestyle:20190312000901j:plain

「いいツールを見つけること」

日常的なコミュニケーションやテレビ会議、プロジェクト管理などに使えるアプリやサービスがたくさんあります。

いま仕事のやり方を変えているものは、モノではなく、コンピューター上で使うものです。

協同作業を助けてくれるツールを色々使って見ることで、上手くいくものを見つけましょう。

 

「生産的な対面時間を設けること」

従来のオフィスでは、年に48週は一緒にいて、長くても3〜4週間だけ離れているという感じでしょう。

私たちはこれを逆にして、短時間で濃密な一緒の時間を設けています。

 f:id:reallifestyle:20190312000942j:plain

年に一度の大会合があって、1週間全社員がともに過ごします。

半分は仕事、半分は遊びです。

 

ここでの主目的は、人々の絆です。

別れるときは皆の意識が合っていて、同僚の間に深い結びつきができています。

1年の残りで協同作業をする時に、この理解と共感が生きてきます。

 

最後に、「各自が自分に合った仕事環境をつくれるような柔軟性を持つこと」です。

Automattic社では、コワーキング手当があって、コワーキングスペースのために使ったり、コーヒーショップから追い出されないようコーヒーを買えるようにしています。

f:id:reallifestyle:20190312001000j:plain

シアトルにいるグループは、その手当を集めて釣り桟橋に仕事場を借りています。

 

自宅手当もあります。

そのお金を使っていい机や椅子、ディスプレイなどを買い、各自が生産的に仕事できる環境を整えます。

 

分散的な形態を導入している会社はまで少ないですが、今後十年か二十年のうちに、世界に影響を与えるような会社の9割は、そういう形態になっていると私は予想しています。

 

分散形態優先へと進化するにせよ、そういう会社に淘汰されるにせよ、次につくろうとしているものが何であるにせよ、どうすれば世界中の人材を動かし、自律性を与えられるかを考えてみてください。

みんなが働きたい場所で働きながら、全力で何かを一緒に作り上げられるように。

 f:id:reallifestyle:20190312001707j:plain

感想

WordPressの創業者が率いる会社が在宅勤務をメインにしていると聞いて、違和感は全くなかった。

それどころか、話を聞いているとあまりにもナチュラルなので、なぜオフィスというものが存在するのか、一瞬分からなくなったほどだ。

 f:id:reallifestyle:20190312002058j:plain

技術系の会社であれば、在宅勤務は導入できる。

それでは、営業はどうするかという問題になるのだろう。

営業もいつかはオンライン上ですべて終わらせるように、なるかもしれない。

実施、すでにBtoBでは、オンライン上の営業ツールが誕生してきている。

そして、BtoCの営業は、最後にIT化されていくのだろう。

 

それにしても、休暇時間の3〜4週間だけで会社を離れるのが一般的だが、(日本企業では2週間程度か)社員が集まるのが1週間程度で、残りの期間はすべて労働場所が自由という点には衝撃を受けた。

完全なる逆転の発想で、世界を変えるような企業のCEOは、考え方が違うと思わされた。

素晴らしい。

日本企業では考えられない発想だ。

 f:id:reallifestyle:20190312002637j:plain

彼は、世界に影響を与えるような会社の9割は、分散型企業になるという。

未来を感じさせる彼の話を聞いていると、その考えに説得力を感じる。

どれぐらい時間がかかるのかは不明だが、そして言語の壁は大きいが、日本もゆっくりと変わっていくだろう。

f:id:reallifestyle:20190312002852j:plain