座り過ぎは体に悪い【TED】なぜ座ることは体に良くないのか?
「人間の体は運動するためにある。体を動かさないと、あらゆる悪影響を引き起こす。」
概要
TEDの講師、ムラート・ダルクルンチュが、なぜ座ることは体に良くないのかについて講演した。
現代人は、仕事に勉強に娯楽と、座る時間がとても長い。
座り続けるのは体に悪いというが、具体的になぜ悪いのだろう?
それでは、その理由についてシェアしていこう。
内容
おそらく、あなたは今座っているだろう。
数分間、座っているだけでなら、何の問題もない。
しかし、座っている時間が長ければ長いほど、身体が落ち着かなくなる。
体は、また立ち上がって歩ける時間を、待ち望んでいる。
座るとリラックスするので、人間の体は座るのが好きだと思わないだろうか?
しかし、実はそうでもないことが判明している。
座っている時間が短ければ、ストレス解消になるし、運動後の休憩にもなる。
現代に生きる私たちの生活は、動くよりも座ってる時間のほうが長くなった。
しかし、私たちの体は長い間、座っているようには作られていない。
もしろ、正反対になっている。
人体の構造を知ることで、人間の体は動くために作られていると理解することができる。
私たちの体は、快適で滑らかな動きができるように、360の関節と700の骨格筋がある。
この構造によって、重力に負けることなく、真っ直ぐに立つことができる。
そして、血液は、私たちが動き回ることで、ようやく循環する。
動くことは、神経細胞の手助けとなり、皮膚に弾力性があるのは、私たちの動きに対応するためだ。
もし、動かなかったら、どうなるのだろう?
まず、背骨の部分から説明しよう。
背骨に当たる脊椎は、細長い構造になっていて、脊椎骨とその間にある椎間板で出来ている。
骨に結合している関節、筋肉と靭帯によって、その形を維持している。
例えば、椅子に座ってデスクの上に足を上げていたとしよう。
これは、背骨が曲がって、肩が落ちている状態だ。
この姿勢は、脊椎に不均等な圧力をかける。
背中の曲がった姿勢でいると、時間が経つほど脊椎板の摩耗を引き起こし、一部の靭帯と関節を酷使し、正しい姿勢を作るために伸びるべき筋肉を、緊張状態にする。
また、猫背の状態でいると座っている間、心臓や肺などがある胸腔を小さくする。
これは、呼吸をする際に肺が拡張するスペースが小さくなるということだ。
すると、肺の中にある酸素が制限され、血中に取り込まれる酸素も少なくなってしまう。
人体の軟組織は、骨格の周りにある筋肉と神経、そして動脈と静脈で形成されている。
座るという行為は、これらの繊細な組織を押しつぶして、圧力を与えて圧迫している。
座っている時に、手足がしびれたり、むくむことはないだろうか?
これは、手足の血流が低下して、むくんでしまうことが理由だ。
長時間座っていると、毛細血管壁にある、リポタンパクリパーゼという、血中の脂肪を分解する酵素が一時的に活性化しなくなる。
では、座ってる時の鬱血状態は、脳にはどのような影響を及ぼすのだろうか?
ほとんどの人は、仕事では、脳を使うために座っているだろう。
しかし、皮肉なことに、長時間座ることは脳を使うことの妨げになっている。
座っていることで血液の循環が悪くなり、肺から血中に取り込まれる酸素の量が少なくなる。
脳が正常に機能するためには、そのどちらも欠かすことができない。
脳活動が低下することで、注意力も散漫になる。
さらに、座ることによる悪影響は、短時間に留まらない。
一部のガンや心臓病、糖尿病、肝臓や腎臓の疾患を引き起こす可能性もある。
実際、研究者は世界中の早死にの、9%が運動不足によると言われている。
つまり、500万人もの人数だ。
無害に思える、座り続けるという行為が、ここまで健康に影響を与えている。
この脅威を避ける方法はシンプルで、直感的なものだ。
どうしても長時間座っていなければならないのであれば、猫背になるのではなく、背筋を伸ばしてみよう。
もし席についている必要がないのであれば、もっと動き回るように心がけよう。
30分に1回は動けるように、リマインダーをしておくのも、おすすめだ。
そして、人間の体は静止するためではなく、運動するためにあると理解しよう。
感想
ホワイトカラーなど、頭脳労働の仕事であれば、仕事中に座る時間がどうしても長くなってしまう。
それ以外の方も、現代人の娯楽は座りながらできるものが多いので、平均的に座っている時間が長い。
この座りすぎ、なかなか危険だ。
筋肉が緊張状態になり、胸腔や動脈、静脈を圧迫する。
脳活動が低下して、注意力も散漫になる。
そして長期的には、一部のガンや心臓病、糖尿病、肝臓や腎臓の疾患を引き起こす可能性もある。
これらの病気になるリスクを避けるため、いつまでも健康で元気に生活できるようになるため、座りすぎに注意しよう。
30分に1度立って歩き回ることさえ意識するだけで、大幅に改善するようだ。
そして、日常の中に、ジム、ランニング、サイクリングなど、気軽に楽しめる運動を取り入れよう。