Ky Lifestyle Blog

✍Ky Lifestyle Blogでは、ビジネス本や動画に映画など、日常をより豊かにする情報を、定期的に発信します。

なぜ人は辛さを感じるのか?【TED】辛さの科学

「辛さは味覚とは違って、痛覚だ。辛いものは刺激的で美味しいが、同時に、体を攻撃することでもある。」

 f:id:reallifestyle:20190218235359j:plain

概要

TEDのローズ・エベレスが、辛さの科学について講演した。

なぜ、人は辛さを感じるのだろう?

そして、なぜ辛いものを食べるのだろう?

その理由を、分かりやすく紹介していこう。

 

内容

赤い唐辛子を食べると、なぜ口から火を噴くように辛いと感じる?

なぜ大量にワサビを食べると、涙目になるのだろう?

最も辛いスパイスは、どれぐらい辛いのだろう?

 

これらについて、少し、考えてみよう。

理由を解明する前に、まず、辛さとはなんだろうか?

 f:id:reallifestyle:20190218235439j:plain

辛さは味覚ではなく、甘味・塩味・酸味とは違う。

辛いと感じる時に何が起こっているのかというと、辛い食べ物の成分が、感覚神経を刺激している。


この神経を、ポリモーダル受容器という。

 

これは全身にあるもので、口や鼻にもあり、極度な熱さに反応する、侵害受容器と言える。

 

ということは、チリペッパーを食べると口中が燃えるように感じるのは、脳が実際に燃えていると感じているからだ。

 f:id:reallifestyle:20190218235614j:plain

これと逆の現象が、メンソール入りの食べ物を食べると起こる。

冷たいミント成分が、冷受容器を活性化するためだ。

 

これらの熱刺激受容器が活性化されると、危険な熱源との接触があったと感じて、それに伴った反応が起こる。

 

だからこそ、汗をかいたり、心臓の鼓動が早くなる。

 

唐辛子が引き起こすのは、闘争・逃走反応であり、体への脅威に対する反応と同じだ。

 f:id:reallifestyle:20190218235736j:plain

しかし、すべての辛い食べ物が、違う種類の辛さを持っている。

 

この違いは、食べ物に含まれている、成分タイプによって変わる。

 

カプサイシンとピペリンは、黒胡椒と唐辛子に含まれていて、アルキルアミドから構成されている。

そして、カプサイシンとピペリンは、口の中に滞留する。

 

一方、ワサビはイソチオシアネートで構成され、すぐに鼻腔にいく。

 

だからこそ、唐辛子を食べると口の中が燃えるように感じるに対し、ワサビを食べると鼻がツーンとする。

 f:id:reallifestyle:20190219000008j:plain

食べ物の辛さを測る尺度は、スコヴィル値という。

パプリカが0で、タバスコは1200〜2400。

最も辛い唐辛子は、トリニダーゴ・モルガ・スコーピオンと、キャロライナ・リーパー。

そのスコヴィル値は、150万〜200万にもなる。

これらは、催涙スプレーの半分並みのスコヴィル値を記録する。

 

なぜ、そこまでして人は辛いものを食べるのか?

 

人類がいつ唐辛子を食べ始めたかは、明確には分かっていない。

 

マスタードのような香辛料が、2万3000年前の工芸品と見つかったというデータがある。

f:id:reallifestyle:20190219000428j:plain

しかし、その香辛料が使われたのは、食べ物のためなのか、医薬品のためなのか、分かっていない。

6000年前であれば、古い鍋に、炭化した魚や肉と一緒に、マスタードが見つかっている。

 

ある理論によると、人が食べ物に香辛料を入れたのは、バクテリアを殺すためだった。

香辛料が発達したのは暖かい気候の地帯が多く、微生物が活性化するエリアでもあったからだ。

 

しかし、なぜ私たちが唐辛子を食べ続けているのかは、いまだに不明だ。

 

辛いものを食べるということは、ジェットコースターに乗ってスリルを楽しむようなものだ。

f:id:reallifestyle:20190219000554j:plain

すぐにくる感覚は不快であったとしても、刺激が得られる。

 

いくつかの研究によると、辛いものが好きな人は、アドレナリンが多く放出される、ギャンブルやスリルを好む傾向があるという。

 

辛さへの興味は、遺伝子学的でさえある。

 

もし、辛いものが好きで、辛さへの鍛錬を考えているのであれば、覚えておいて欲しい。

ある研究によると、どんなに辛いものに慣れても、痛みは全く変わらないそうだ。

ただ単に、痛みに我慢強くなるだけだ。

 

辛いものが好きな人は、痛みを痛みと感じていない傾向がある。

そして、痛みをむしろ好ましいものと捉えているところがある。

 

感想

辛さは、旨味などの味覚ではなく、痛覚だ。

脳が、燃えていると勘違いして、辛さを感じるようにできている。

だからこそ、汗をかいたり、鼓動が早くなったりする。

 f:id:reallifestyle:20190219001057j:plain

辛いもので美味しいものはあるし、刺激もある。

筆者も、ワサビや唐辛子が大好きだ。

香辛料の多いタイ料理や、中華料理、韓国料理と、何でも食べる。

トムヤムクン、キムチ、麻婆豆腐、すべて好きだ。

 f:id:reallifestyle:20190219001311j:plain

しかし、辛いものは体を攻撃する痛みでもあるので、ほどほどがいいかもしれない。

 

辛い食べ物に強い人は、単に我慢強くなっているだけらしい。

むしろ痛みを好ましいと思っているということは、Mっ気があるのかもしれない。

 

辛いものは美味しいと感じるし、刺激もあるが、体を痛めつけてしまうのであれば、ほどほどに楽しんだほうが良さそうだ。

f:id:reallifestyle:20190219001320j:plain