深い睡眠は、脳の機能を向上させる【TED】脳が深い睡眠から更なる恩恵を得る方法
「深い睡眠は、あらゆる機能を向上させる。」
概要
睡眠学者、ダン・ガーテンバーグがTEDに登壇。
より深い睡眠をとる方法、そして、眠りが記憶力・学習能力を向上させ、健康向上に貢献するという内容について講演した。
それでは早速、その内容についてシェアしていこう。
内容
より効率的な睡眠が可能だしたら、どうだろう？
これは、私が健康学者として、ここ10年研究してきた課題だ。
電気の明かりやテクノロジーの発展によって、生産社会の代償として、身体が必要な睡眠時間が犠牲になっている。
我々は、十分な睡眠をとっていない。
平均的アメリカ人の睡眠時間は、1940年代より１時間以上少なくなっている。
そして、なぜだか疑問だが、睡眠が少なくてもやっていいけることが、自慢になっている風潮がある。
このような要素が相まって、健康危機をもたらしている。
睡眠不足が、健康被害を引き起こすことは、多くの人が知っている。
睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を治さないと、このような病気になってしまう。
さらに、睡眠不足は早計な判断を下しやすくなり、共感力が低下する。
また、睡眠不足になると痛みに鈍感になり、善良で健康的な人ではなくなってしまう。
すべて、睡眠不足の影響だ。
ある科学者は、睡眠不足の長さよりも質のほうが、健康に大きな影響を及ぼすと言っている。
私の研究は、最も睡眠が深い、「深睡眠」に焦点を当てている。
現在分かっているのは、睡眠には３段階あるということ。
浅い睡眠、レム睡眠、深い睡眠。
被験者の頭皮と顎、胸に電極を貼り付け、睡眠段階を測定した。
その結果、浅い睡眠とレム睡眠は似通っていた。
しかし、深い睡眠の脳波は「ロングバースト波」で、「デルタ波」が出ている。
深い睡眠が不十分だと、学習能力や、人体の細胞の回復力が阻害される。
深い睡眠は、日中の活動のすべてを、長期記憶や人格に変換している。
自分を実験台として、深い睡眠に関する様々な実験をした結果、人間には８時間の睡眠が必要だということが分かった。
しかしながら、食事や睡眠や日光に当たる時間を変えてみたが、深い睡眠をとる方法は見つからなかった。
それが、ハーバード大学のディミトリ・ゲラシェンコ博士に会ったことで、判明した。
博士によると、ある種の音を聴かせると、睡眠を効率よくできるというものだった。
さらに、その音が翌日の記憶力も向上させることが分かった。
その音は、波のような音だ。
この波のような音は、脳波の動きと似ていて、同じ振幅数になっている。
被験者に睡眠中、この音を聴かせる実験をした結果、深い睡眠がとれ、翌日のデルタ波が増加した。
我々のチームは、深い睡眠を誘える音の研究を続けている。
そのうち、人間に深い睡眠を誘う小さな装置を身につけることで、睡眠から更なる恩恵を引き出せる日が来るかもしれない。
感想
睡眠の重要性は、ほとんどの人が理解している。
しかし、長時間労働や、悪い習慣などで、８時間睡眠を確保できている人は少ない。
睡眠不足は、病気を引き起こしてしまう。
できる限り、睡眠時間を８時間に近づけていきたい。
将来的に、研究者が言うように、深い睡眠が簡単にとれるようになるかもしれない。
そうすれば、短時間労働でも疲れが取れ、健康的な人が増える。
睡眠科学の研究は、人類の健康に繋がる重要な学問だと理解した。
深い睡眠のとり方が分からない現段階では、極力８時間労働を確保しよう。
そうすれば、深い睡眠をとれる確率が上がる。
そして、深い睡眠をとれれば、健康な状態を保ち、脳の機能を向上させることができる。
